大学を卒業後、新卒で就職してから1度の転職を経験し、サラリーマンとしての経験は13年になる自分が、5Sについてわかって無かった。
転じて、いくつになっても何年やっていても、自分で考えて納得しないと本当に使える知識にならない、と反省した話。
5Sの中の整理・整頓の区別がついてなかった
5つの”S”から始まる、仕事の基礎である。
- 整理:要らない物を捨てる
- 整頓:物の住所を定める
- 清掃:物・場所が使える状態にしておく
- 清潔:上の3Sを常に維持する
- しつけ:上の4Sを習慣づける
ホウレンソウに並んで重要な、誰でも知っている基礎中の基礎。
もちろん私も知っている。
いや、知っているつもりだった。
でも全然わかって無かった。
そもそも、”整理”と”整頓”の区別がついていなかった。
なんとなく、「見た目がきれいで、何がどこにあるかすぐ見つけて取り出せる、整然とした状態」みたいなイメージだけ持っていた。
特に”整理”の意味がわかっていなかった。
整理は「不要な物を捨てること」
”整理”の最も大事な部分、「不要なものを捨てる」がわかってなかった。
「いや、片付ける時に要らない物捨てるのは当たり前でしょ。」
そう思われるかもしれない。
確かに自分も片付ける時に、明確なゴミや古くて汚い道具は捨てる。
でも、要らない物を捨てる(つまり物を減らす)ことが目的の整理とそうでない場合、明確に差が出る。
何故なら、「要らない物」かどうかを判断することこそが難しいから。
物に対して要るか要らないかは人によって異なる。
例を挙げよう。
家にある文房具を整理するとして、シャーペンが何本も出て来たとする。
家族は4人なのにシャーペンは10本以上ある。
全てのシャーペンはきれいで、壊れてもいない。
このような場合、明確に”整理”の意識(つまり捨てる意識)が無ければ、綺麗でまだまだ使える道具を捨てようと思うことは難しい。
「シャーペンなんてスペースを取らないんだから、予備としていくらあっても困らない。」
「いろんな場所に置いておけば、その場でメモれる。」
と言うような考えだと本当の整理にはならないだろう。
自分もこれと全く同じ考えだった。
そして、正しい整理が出来ていないと、不要なものまで整頓しなければならなくなり、負担が増え、結局5Sが続かない、挫折して汚い状態に元どおり、となってしまう。
このように、5Sの一番初めにしなければならない整理の本質を知らずにのうのうと働くサラリーマンが私だった。
5Sは自分のためにやる
私が5Sが出来てなかった理由は、目的と効果を知らなかったから。
過去の自分にとって、5Sの目的は「上司や会社に言われたからやる」、効果は「会社が綺麗になる」だった。
自分の役に立つと言うことを知らないので真剣に取り組まないし、やってても楽しくない。
でも、もし5Sを自分の仕事にも当てはめて、整理により不要な仕事を捨てる(辞める)ことが出来れば、自分が楽になると思うようになった。
今の自分にとって、5Sの目的は「自分が楽をすること」、効果は「自分の仕事が減ること」になった。
自分が楽になるのを知っていれば、取り組み方は全く違う。
目的と効果を理解していないと言うことは、5Sだけの話ではなく、他のことにも当てはまる。
例えば”ホウレンソウ”。
これもわかっているつもりで、実践できていない。
自分はやっていると思っていても、上司から「あれどうなった?」と聞かれることはないだろうか?
それはつまり報告ができていなかったことを示す。
私は毎日上司と話しているにも関わらず「あれどうなった?」が無くならない。
つまりホウレンソウができていないのだ。
なぜ出来ていなかったのか、やっぱり目的と効果を知らなかった。
ホウレンソウの目的は言うまでもなく、自分の仕事を進めるためだ。
効果も同じ、自分の仕事が進む。
それはなぜか。
報告するために納期が必要になるし、連絡することで仕事のやり方が間違っていれば指摘してもらえるし、相談で悩みが解決する。
ホウレンソウは自分のためになることを知っていれば、取り組み方も変わっていたと断言できる。
もし、5Sやホウレンソウを、上司や会社に言われて嫌々やっている方がいたら、「自分のためになるからやる」のだと、マインドセットを変えることをお勧めする。
自分のために頑張るでいいじゃない
このように、13年もサラリーマンをやっていても、新入社員のように基礎ができていないダメ社員もいる。
そうならないためには、どうすればいいのか。
結論は、
「自分が楽になることをする」。
これはダラけたりサボったりしよう!と言うことではない。
当然成果を出さないと会社に居場所が無くなってしまう。
なので、成果を変えずに自分の労力を減らす。
そのために必要なことだと理解できれば、そこから初めて本気で取り組める。
巷の自己啓発本には「他者貢献にやりがいを持つ」など、綺麗事が書かれているが、
それが実践できれば苦労は無い。
まずは自分のため、その思いをモチベーションにしても良いのではなかろうか。
以上
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